老いのひとこと

そぞろ歩く道すがら目にする床屋さん・うどん屋さん・焼き肉店さん・パン屋さん・駄菓子屋さん・小型スーパー店さん・お酒屋さんらは軒並み客足遠のき閑散とす。

尤も午前の10時では開店どころか店内の電灯すら燈ってはいないお店もある。

或いはひょいとして閉店の憂き目に追い遣られたのではなかろうかと憂慮するお店もある。

中堅のチェーンドラグストアの誕生以来その傾向がより顕著になったように思えてならない。

益々GENNKIになりゆく大きなお店と愈々元気を失いゆく零細な小規模店との隔たりが拡大し悲鳴が辺りに充満する。

空文化した大店法が何と空々しいことか。

 

 

 

老いのひとこと

高山右近の兜になぞらえて前立てには十字をしつらえて飾った。

ところが不運にも素焼きの段階で右の鍬形が折れてしまったのだが勿体ないので飴釉に仕立てて本焼きし半世紀ほど大昔の「ボンドEセットクリヤー」を錬り合わせ何んとか接合できたようだ。

威風堂々とした様態にして貫録十分ではないか。

見れば見るほど惚れ惚れ致す自慢作だとは自画自賛もいい加減にしろと呆れ果てる。

 

ただ詰まらぬことに拘るのである。

昆虫のカブトムシの鍬形部分を角と呼ぶのに対しクワガタムシの鍬形部分を大顎と呼ぶらしい。

顎で戦うクワガタムシより角で戦うカブトムシの方がどう見ても強そうに見えて仕方がない。

ところがカブトの角が折れたと云う事は明らかにクワガタの大顎に圧し折られた訳だからカブトよりクワガタの方が強くはなかろうか。

 

愈々歳を取り申した次第だ。

 

 

 

老いのひとこと

農作業雑記

其の一

枝豆とインゲンの種はあの35度を超す炎天下に枯死したものとすっかり諦めた。

 

連日の熱気では炒り豆同然だったのだろう。

それでも1%の発芽率を信じて水だけは施しつづけた。

 

十数日後、待ちに待った降雨に見舞われたが蒸し暑き曇天が一面に空をおおう。

そんな或る日、不織布を除け添えば微かに地表が隆起し生き物の気配にビックリ仰天、天佑神助の到来に涙してしまった。

此の植物たちの強かな生命力に心から讃美を贈らねばならない。

 

其の二

カラスほど狡猾なる生き物はいない。

以前、頭上を急降下襲撃され怖い目に遭った。

蜂同様黒い帽子は標的にされやすいと聞いた。

それ以上に危険が及ぶカラス被害が農作物へのアタクソである。

実にツラニクイ腹が立つ。

カラス如きにセイモンデ見てもラチャカン事はラチャカンに決まっとるがそれでも腹が立つ。

なけなしの三株しかないトマトが次から次へとアタクソされる。

とうとう網でぐるぐる巻きにしてカラスの憎き嘴から身を守らねばならない。

今度生まれ変わるとすればカラスの天敵大鷲か大鷹に変身してこころゆくまで懲らしめてやりたいものだ。

 

でもやはり大様に如何ほど邪魔だてされようが平然と見過ごす度量がなくては死ぬるまで小者のままで終えるのです。

人非人に過ぎないのです。

 

 

 



老いのひとこと

麦芽100%の本物のビールには手が出ないが数ある中で好みの品は「本麒麟」か「贅沢ゼロ」を愛飲した。

ところが先日、店頭にて聞き慣れない「麦のひかりOFF」に出くわす。

宣伝文句の糖質offとドイツ製ホップにベルギー製麦芽使用、何より庶民向き低価格に幻惑されついついケースごと買ってしまった。

余りにもサッパリし過ぎで味気ないしコクがないのだがお値段相応で仕方がない。

ルーペ―で調べればメイドインベトナムと表記され輸入元がゲンキーと在った。

然もありなんと大いに納得できた。

 

少々淡白なれど欧州風ビールを堪能する。

 

 

 

老いのひとこと

城谷川の護岸の為のコンクリート壁と市道の路面のアスファルト壁との間のほんの僅かばかりの隙間を住処とする植物が居る。

マツバウンランニワゼキショウコニシキソウネジバナ・ワルナスビ等々枚挙にいとまがないが名も知れぬ雑草たちを加えればそれこそ数え切れない。

暑い日であったが此の川べりの植物を根こそぎ毟り取った。

今年は此の異常気象がゆえに上記の素敵な仲間達にはお目に掛かれなかったので気遣うことなく全ての雑草を駆逐した。

序でにお隣さんの領域にまで手を伸ばし作業したのだが実は今は亡き隣家のご主人は此の隙間の植物を嫌って天然ゴム如きコルタール如き弾力性に富む物質を奥深く注ぎ込んだのであろうが強靭なる生命力を宿す雑草には通用する筈もなく其の障害物を貫通して繁茂するのです。

ところが此の特殊な環境下に自生する植物の生への執着心にはほどほど手を焼いた。

人間はおのれの我欲で如何に自然を制圧しようと致せども自然の生命力の強かさには全く通用しないことをまざまざと見せ付けられた。

傲慢なる人間たちの愚かさをつくづく思い知った。

自然を冒涜いたすべかず。

 

 

老いのひとこと

 

農作業雑記

其の一

お百姓さんの真似事をし始めてもうかれこれ10年近くになろうか。

ところが身の入れようが半端なのでその知識たるや今以って稚拙そのものだ。

此処のところナスが元気がない、実のなりようも思わしくない。

濃紺の樹勢が失われ斑点が目立つくすんだ葉をばよくよく観察すれば無数の小さき穴に蝕まれているではないか。

ネットで調べれば葉ダニの被害だとわかる。

毎年ナス栽培に馴染むがこの様な被害の経験はなかった。

慌てふためくようにスミチオン1000倍液を1リットル調達して徹底的に散布した。

僅か三株しかないので労作なくできたが不本意ながらも農薬に頼らざるを得なかった。

其の二

 

常識的には此の暑さの最中に種を蒔くなんて正気の沙汰ではない。

ご丁寧にも枝豆と蔓なしインゲンを蒔き鳥害を嫌って不織布で被った。

温室効果も相俟って灼熱の地獄下で発芽に期待するするなんて笑いものにも程があろう。

其れでもせっせと朝夕水やりにご執心だ。

朝は5時起床とは恐れ入ります。

三日経つがその兆しはない。

一週間経つがダメだ

 

 

老いのひとこと

自民大勝単独過半数、維新倍増、片や立民は無慚にも惨敗せり。

執行部の路線の誤り、切腹もの、又しても代表の退陣劇。

党内は元より連合をも含めた野党を束ねる力すら持ち合わせてはいない。

国を統治するなんて余りにも烏滸がましく口にしてはならない。

生き延びる道は正当な市民連合を軸に心ある野党が智慧を出し合い協力体制をもう一度再編成するしかない。

腹を切るのはその後だ。

再建に向け真摯に取り組む「立憲」のその姿を是非とも見届けたい。