老いのひとこと

農作業雑記

其の一

枝豆とインゲンの種はあの35度を超す炎天下に枯死したものとすっかり諦めた。

 

連日の熱気では炒り豆同然だったのだろう。

それでも1%の発芽率を信じて水だけは施しつづけた。

 

十数日後、待ちに待った降雨に見舞われたが蒸し暑き曇天が一面に空をおおう。

そんな或る日、不織布を除け添えば微かに地表が隆起し生き物の気配にビックリ仰天、天佑神助の到来に涙してしまった。

此の植物たちの強かな生命力に心から讃美を贈らねばならない。

 

其の二

カラスほど狡猾なる生き物はいない。

以前、頭上を急降下襲撃され怖い目に遭った。

蜂同様黒い帽子は標的にされやすいと聞いた。

それ以上に危険が及ぶカラス被害が農作物へのアタクソである。

実にツラニクイ腹が立つ。

カラス如きにセイモンデ見てもラチャカン事はラチャカンに決まっとるがそれでも腹が立つ。

なけなしの三株しかないトマトが次から次へとアタクソされる。

とうとう網でぐるぐる巻きにしてカラスの憎き嘴から身を守らねばならない。

今度生まれ変わるとすればカラスの天敵大鷲か大鷹に変身してこころゆくまで懲らしめてやりたいものだ。

 

でもやはり大様に如何ほど邪魔だてされようが平然と見過ごす度量がなくては死ぬるまで小者のままで終えるのです。

人非人に過ぎないのです。