老いのひとこと

高山右近の兜になぞらえて前立てには十字をしつらえて飾った。

ところが不運にも素焼きの段階で右の鍬形が折れてしまったのだが勿体ないので飴釉に仕立てて本焼きし半世紀ほど大昔の「ボンドEセットクリヤー」を錬り合わせ何んとか接合できたようだ。

威風堂々とした様態にして貫録十分ではないか。

見れば見るほど惚れ惚れ致す自慢作だとは自画自賛もいい加減にしろと呆れ果てる。

 

ただ詰まらぬことに拘るのである。

昆虫のカブトムシの鍬形部分を角と呼ぶのに対しクワガタムシの鍬形部分を大顎と呼ぶらしい。

顎で戦うクワガタムシより角で戦うカブトムシの方がどう見ても強そうに見えて仕方がない。

ところがカブトの角が折れたと云う事は明らかにクワガタの大顎に圧し折られた訳だからカブトよりクワガタの方が強くはなかろうか。

 

愈々歳を取り申した次第だ。