老いのひとこと

6時40分公園での所用を終えてから作物点検に畑に立ち寄れば路上にひも状の物体がある。

見るまでもなく幼蛇と分かる、黄土色の腹を見せて往生する。

尻尾の先を摘まんで背をみるが轢死ではない。

恐らくはカラスに啄まれ何かの拍子にそのまま放置されたのであろう。

死骸はやはり見好いものではないので又尻尾を摘まんで側溝に葬った。

ところが何んとどくしょなことに入歯を装填しようとすれば先ほどの右手の指先が気になって躊躇ってしまう。

詰らん仔細なことに怖気付くとは情けない恥かしいと思いつつ再度入念に手洗いをするのでした。

 

思えば遠き63年むかしの頃に山の子らと共にシマヘビの成蛇の皮を剥ぎ開いてかば焼き風にして喰らった往時が何と云っても懐かしい限りだ。

今では考えられない人権侵害事件に及ぶ不祥事であって隔世の感を禁じ得ない。

彼らの前で心より懺悔いたさねばならない。