老いのひとこと

蹲踞が出来ない。

もうそろそろ「引導を渡す」人が現れても可笑しくは無い。

「引導を渡される」日がいよいよ近付いたようだ。

いやいや、そんなものを渡される先に御自ら潔く身を退く勇断を為すべきではないか。

先見の明を以ってして心ある剣士ならそう在るべきだろう。

 

いや待てよ、蹲踞が覚束ないにしろ形なら打てるし面を着けて打ち合う事も此の齢にして何んとか適うではないか。

それ故に引退はまだ早い、引退は出来っこない、したくもないのだ。

葛藤がつづくのだ。

 

見苦しい老害を振り撒く分際ながらも体が動く限りはへこたれまいぞ。

がんばらねばなるまいぞ。