老いのひとこと

こうも暑いと制作意欲もだらけて溶け落ち萎えてしまう。

気合を入れて立ち上がるが足元がふら付く始末だ。

 

仕様がないので今日は安っぽいプラスチックの器を型枠にして上から18cm四方のたたら板を被せて仕事を済ませることにした。

今日は今までのような制作に意欲を掻きたてる情熱が何処かに消え失せていた。

 

午後はクーラーなしの居間に大の字になって午睡をむさぼる。

熱風に混じつて一陣の涼風がよぎる、それが堪らなく心地よい。

 

夕刻、バイクにジョウロを積んで畑の散水に参れば、馬替の地内で竹刀を振る親子連れに出逢う、実に珍しい光景に出くわせたものだ。

 

何んとバイクを止めるだけでなく、バイクから飛び降りて何時もの悪い癖をば出る丸出しに親子団欒の中に割って入る。

 

左の小指は半掛けだ、小指薬指中指でしっかり握れ、上から被せるように親指の先は下を向く、振り被れば上向きだ、打ち込めば右親指で相手の右目を突き刺すんだ。

糞握りは罷りならんと語気を更に強める。

矢継ぎ早に次から次へと言葉が出るから我ながら愉快で堪らない、変なことに我を忘れてしまったようだ。

 

お父さんに代わってお母さんが顔を出す、お兄さんも出て来て取り巻く、みなキョトンとした目をして眺めてる。