雑草園顛末記《8》

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⑧ 焼却炉
 ごみ焼却問題で日本國中で国論を二分した形で揺れに揺れている。
 放射能残留物云云はともかくとして、万物の霊長と云えども人間たるもの、みなみな我欲の自己主張をし合い互いに ( あげつら )う有り様で、天の神様もさぞかし苦笑していられる事だろう。
 むかし、市販の焼却炉で枯れ木を燃したところ近隣の住民よりダイオキシンがどうしたこうしたとか言って噛み付かれたことがある。
 それもわたしに直接物申すのではなく役所へ苦情を申し立てるという慇懃無礼さに魂消てしまったことがある。
 それで実は、近隣の消防署へ直接掛け合い道路を隔てた城谷川の ( かわ ) ( ぶち )で焼却炉の使用許可を願い出た次第なのだ。
 処が、丁重に掛け合ってくれた署長さんの返答に、期待する方が浅はかであったことを実証するのみであった。
 所詮、役所の役人たるもの公僕たる使命感は単なる飾り物に過ぎず、詰まる所はおのれの立場と役所の論理で安泰を図る何物でもないことがよく分かった。
 苦情の火の粉が降り注ぐのを嫌い、役所間の管轄違いを口実に責任転嫁に躍起になる。
 何が公僕かと声を大にして言いたい。
 震災瓦礫の処理問題で地域のエゴを剥き出しにする醜態と重なり合って何とも複雑な思いをさせられた。