うらなりの記《96》

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『母よ』
 
① 母は五十年前に国立金沢病院で骨肉腫という癌を患いこの世を去った。 
  考えてみれば其の当時の様子を知る父はとっくに他界した今、せめて当医院にて情報提供が有りはしないものかと照会を試みたが、五十年は愚か最早十年間を期して患者のカルテの類は完全に焼却し尽し廃棄処分するのだという。
 この情報化時代にそぐわないこと ながら、いかに著名な有名人たりと も例外ではないのだという説明だっ た。