老いぼれ教師の回想記《100》

イメージ 1
 
その五  挑戦と試練挫折の河北台(続)
 
雑感=1 
 
 少子高齢化時代は遂には二〇〇七年を期して人口減少時代を決定的に迎えることを報じている。
 河北台商業高校はご多聞に漏れずもろにその余波を被った。
 平成十四年(二〇〇二年)に閉校の憂き目をみたのである。
 生徒減が定員割れを恒常化し、バブル期崩壊後の逼迫した財政力は経費削減を余儀なくされ不運にも真っ先にとばっちりを甘受せざるを得なかったのだろう。
 平成十五年三月三日は閉校式典が挙行された。
 処が、わたしはこの日を避けた。
 その翌日にわたくしも校舎に訣別するべく一人内灘砂丘の地に佇んだ。
並み居る御歴歴の物陰に隠れるように最後尾に列席するようならば益々以っておのれが惨めに映ろう。
末席の片隅に位置するよりも、むしろ今日の日に孤高の誉れを満喫した方がわたし自身には納得できる出来事だった。
敗残兵は敗残兵らしく在って然るべしと頷いた。