雑草園顛末記《19》

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⑲ 種蒔き完了
 
時の移ろいは早い。
いささか時季を逸したトンチンカンな絵です。
 
遮二無二 (しゃにむに)一気呵成 (いっきかせい)に突貫し、12日には種蒔きまでこぎつけた。
それにしても、極めて投げやり的作業だ。
農耕の神を冒涜したも同然、わたしはどうも百姓をする資格はなさそうに思える。
さりとて、優柔不断さからきっぱり決断しあっさりと断念する覇気もない。
ずるずるべったりだらだらと至ってけじめがない。
挙句の果てには、隣家のナスの育ちが気になり猜疑 ( さいぎ )の目でしかものを見ない。
勤労の大義を身をもって体得し、生産の喜びに浸り自然の恩恵に感謝する事を第一義にすべきは云うまでもない。
「隣の糂汰 ( じんだ )味噌 ( みそ )」に ( さいな )まれつつも、炎天下に泥濘 ( ぬかるみ )に身を挺して鍬を振り上げ汗して無から有を創り上げる歓喜を呼び込もう。
14日の夕刻発芽の兆しを知る。3年前の古い種ながら新たな生命の息吹を見せてくれた。
こんなに素晴らしい魅力が畑仕事にはあるではないか。
ふと目を遣ってみても、そこにはもうりりの姿はなかった。