老いぼれの独り言

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きのう、小春日和につい誘われて兼六園まで足を伸ばす。
ママチャリを駈ってサイクリングと洒落てみた。
というより、おのれへのある種の挑戦を試みてみたことになろう。
途中難所と思しき箇所が二か所、市営グランド坂と白山坂がある。
弓の稽古のため赴く護国神社へのルートそのものなのだ。
車なら当たり前のように難なく上る坂ではあるが、そこを自転車で喘ぎながら登っている若者たちの様子をよく目にした。
年寄りの冷や水と笑わば笑え、本日こそは千載一遇のチャンスの日と決めて決行に及んだ。
死ぬる前に二度と再びこのような愚かな行為は行うはずはなかろうと先ずは市営グランド坂に差し掛かった。
幸い変速ギア付きゆえなんとか登り切った。
孫から聞いた上り坂のポイント、漕ぐのではなくペタルをゆっくり回転させろの言葉通り実行あるのみ、苦しみの果てに征服し得た。
そして、白山坂に入れり。小立野台地をめざし、漕ぐには非ずと言い聞かせつつもただひたすら漕いで漕ぎ捲くったではないか。
唸り声うめき声ごとき自転車流気合いで自分自身と戦った。
武道とは己との戦いなりと云う教訓を、真実実感したのは自転車の上であったとは情けない。
家康公が世に残した名言、“人生とは重い荷を背負い急な坂道を上るが如し”まさにそれを体を以って実感した。
中小零細企業、個人企業の起業主たちが自転車操業を余儀なくされる凄まじき現実を身を以って体験した。
ペタルの回転が途絶えれば即転倒に他ならないことを厭と云うほど知らされた。
白山坂は遠かったし小立野台はもっと高かった。
 でも、老骨に鞭打った甲斐があった。
 実につまらぬ念願ではあったが、わたし流に成就したことになる。
 気分晴朗、大いに納得し得心を得た。
 但し、再度のアタックの可否については暫し不問に付すことにして桜の咲くのを待とう。
 紫中三尖塔と玉泉院、将中校舎や石川門を初め兼六園の穴場を心行くまで探訪し観察しデジカメに納めた。
 とにかく、いろんな意味合いで収穫多き秋の一日でした。