老いのひとこと

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一輪の侘助が侘びしく咲く。


しかも、横に臥し地表に届かん不自由さを囲っている。


まさに、地面への落花に備えているかのようだ。


しかし、よくよく見れば確かに地球の引力に逆らってまでして生きている侘助ではあるが一向に理不尽さを感じさせない。


これこそが、あるがままの我が身の姿なのだと如何にも満足気に映るではないか。


侘助侘助たる由縁を如何なく物語っているように覗えてしようがない。


わたしは侘助の枕元にそっと我が陶板「吾唯足知」を添え置いた。


安らいでくれればいいと思うのだが、我が陶板とて此処が与えられし恰好の居場所として心地よさそうに居座るのです。


 


幾日かして、此の花は自然の摂理に従いて心地よさそうに横たわっていた。


 

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