菓子盛りの器として作ったのだが蓋と本体とが反りが合わず様にならない。
阿吽の呼吸で語呂合わせを為したがそう何事も上手くは行かないものらしい。
万止む無しと蓋を手にしてまじまじと眺むるに益々歪に曲がった捻くれ者嫌われ者に映るではないか。しかし、此の弱点と至らなさを労わりの目で眺むるに不思議と不憫さも加わり言い知れぬ愛着心が沸々と湧いてきたではないか。
特に、把手の部分に何気なく遊び気で施した人相が意外と高僧の佇まいを為すではないか。
他人が如何様に評しようがそんなことはお構いなしで関係ないことにしよう。
おのれが確信を持っておもろいと判断すればそれでよいことなのだ。
他人様のために作るのではない我が身自身の存在を素直に表現すればよいことなのだ。
チビ助お猪口も同席させて一層おもむきが深まったように感ずるのです。
またしても、手前味噌を並べて悦に入る嫌な奴なのです。