老いのひとこと

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此の齢で「忘れん坊」という事は即ち○○症になったことを自認したに等しい。


罹りつけの歯医者さんから8020賞を受賞したいのなら虫歯の治療に専念しなさいと叱咤激励を受け


予約を入れて貰うのだがその都度忘れてしまう。


歯が痛ければ飛んでゆくが痛くもないのに歯医者さん行くことは遂うっかりすっぽかすのです。


一度ならずに二度三度も仕出かしてしまうのです。


先日は鶴来道場での日曜会稽古に参加し、いざ帰ろうと席を立てば後ろから“たかはしさん竹刀忘れてるよー”のお声が掛かる。


見れば今用いた愛用のカーボン竹刀を道場に置きっ放しにし竹刀袋だけを携えているではないか。


いくさ場で腰に差すかたなを忘れたも同然もはや返す言葉もありません。


それだけではなかった、実はその折に最近の審査基準について話し合う中実技で合格した強者剣士が形で刎ねられた実例からして剣道の在り方そのものが最近少し変わったのじゃなかろうかと本質論を語り合って高まったのです。


話しが盛り上がったところでわたしは風邪気味の体調から一人席を立って駐車場まで足を運んだのです。


その時に後ろより“たかしさん又しても忘れ物ですよ”と云ってわたしの防具袋を担いで追っ掛けて来てくれたのですよ。


これには、唖然として声も出なかった。


わたしは、竹刀袋だけを携えて車に乗ろうとしたのです。


これは、余りにもひどすぎる重症すぎると思った。


“たかはしさん、慎重運転で最大の注意を払って帰ってくださいよ”と念を押されたことだけはよく覚えているのです。


余りにも度の過ぎた「忘れん坊」さんに呆れるばかりなのです。


傘寿だなんて云って浮かれている時ではないのです。