老いのひとこと

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新聞を見ていたら「堀田善衛生誕100年記念 作品朗読と講演の会」が目に入った。


野次馬根性を丸出しにして自転車に跨り馳せ参ず。


それにしても近寄り難い重厚な雰囲気漂う四校校舎の敷居は高い。


その時点で既に高貴な威圧感に圧倒され二の足を踏む思い。


第一堀田善衛は何処かで聞いた覚えはしないでもないが全然何も知らない。


積ん読癖の我が書庫にもない。


あらすじで読む名著にも未だ収録されてはいない。


斯くなる者が破廉恥にもノコノコと斯くもアカデミックな聖堂に顔を突っ込むなんて思い知れない。


「彼方は場違いですよ」と後ろから肩を突かれる先に其処を退散すればいいものを何とかばれぬ様にカムフラージュしながら居座った。


堀田善衛を取り巻く多士済々の著名文士が複雑怪奇に錯綜し堀田善衛像が立体的に構築されていくが盆暗青二才には手強かった。


それにしても室生犀星との深い関わりをふんだんに織り交ぜながら作家堀田善衛の輪郭が知らぬ間に少しづつぼんやりと縁取りされてゆくから不思議だ。


 


 


郷土が生んだ偉大な文士たちに大きな敬意を表すると同時に至らぬおのれの余りにも貧弱でちっぽけな存在に縮み込むばかりでした。