最寄りの公民館が寄せ植え講習会を催してくれた。
量販店の店頭には大小さまざまな既成の品が並ぶが殊更購買心がそそのかされる程でもない。
会費一千五百円で諸材料が提供された上自作の御手植えが楽しめるなんて勿怪の幸いではないか。
主木に椿が指定され外に松に笹、葉ぼたんにシュクラメンと名称不明の二種と合わせて七つの苗木が宛がわれた。
それらを限られた鉢植えのスペースの中に如何に見栄えよく配置し初春の雰囲気を醸し出すかが腕の拠り所と相成りましょう。
直観力で以って美的感覚をより高度に洗練された方向へ収斂するかが問われることになる。
我なりに真剣に美とは一体何たるかを追求することができた。
此れぞまさに没我の境地を会得したことになる。