老いのひとこと

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感染者数で一喜一憂しながら、下げ止まりとリバウンドが話題になる中いよいよ五輪の日が近付いた。

五輪開催に際し総理は名誉総裁たる陛下と直々に差しでお話しを交されたと云う。

でも昔からの仕来たりで其の内容を窺い知ることは出来ぬらしい。

ならばこんな憶測すら許される筈もなかろうが陛下の心情を奥深くまで理解し尽くし止むに止まれぬ背景を誠意をもって吐露し陛下の心中を少しでも揺れ動かせられた痕跡があったならば此の際の「内奏」直後の長官からの爆弾宣言は無かったと思う。

お座成りで通り一遍な我々が耳にしたあの記者会見場での言葉通りで若しや陛下への進言に及んだとすればやはりあの宮内庁長官のあの「拝察」宣言は只事ではない、むしろ当然すぎるくらい当然だと思う。

陛下の心中を拝察するに及べる人物は長官以外には誰も居ない。

陛下は一石を投じた、大きな波紋が全国いや全世界に拡散することを予見された。

象徴天皇たる陛下が為し得る唯一の意思表示で在り率直なる抵抗と云えまいか。

陛下のご懸念があったにしても五輪中止も延期にも至る筈がなさそうだ。