2021-10-21 老いのひとこと しっとりとした枯淡の味わい溢れし「知足の蹲踞」に大いなる期待を込めて見守ったのだがあにはからんや物の見事に裏切らてしまった。 哀れにも奇怪なるお姿で生誕されたのでわたしは身をのけ反らせてしまった。 期待の星は厄介なるお荷物と化した。 分相応なる満足を知る事が適わなかった。 フラストレーションが急激に襲い来た。 落胆のあまり肩の力がみるみる抜け落ちてゆく。 がっくりと悄気反っている。 壱千何百℃の灼熱の窯の中で悶え苦しむあまりに反り返り尚且つ体の一部を欠落させる無惨なるお姿でした。 即刻、地中奥深くに埋葬して然るべしとは思ったのだが気を取り戻し奇怪なるお姿のまま接着剤にて補修復元した。 暫し我が家にて安置し霊を慰め鎮めることを思い立った次第だ。