2022-05-05 老いのひとこと 義父が関わりし尚武に菖蒲とコイノボリ、端午の節句の兜飾りも遠いむかしの事となってしまいました。 あれから幾星霜、お蔭をもって今や三人の愚息たちも見事に大成いたしました。 主を失いし嘗ての武者兜を押し入れの奥から引っ張り出し何気なく飾り立て祭る。 加えて、家中の有りっ丈の輩(ともがら)を掻き集め勢揃いさせ、その陣容に独りご満悦。 あっそう云えば坂出から孫が来るぞ。 公民館の陶芸教室も板につき始めたようだ。 兜用語の「鉢」「錣(しころ)」「吹返」「鍬形」 などをよくよく吟味しながら図らずも高山右近の兜を作ってしまった。 「鉢」のテッペンに彩りを添えようと十字架を建ててしまったまでのイタズラだ。 偉大なる武将に申し訳ない事を仕出かした。 要らない角まで生やして無礼極まりない。 総勢七体の先陣を切るは十字を掲げる右近兜でその後方には利家の鯰尾兜を従え、総大将の後塵を拝するは輪島塗漆芸沈金作家の友田裕次の兜と相成った。