老いのひとこと

五月の風が通り抜け柔らかい日差しが降りそそぐ。

いつもの裏道で行きずりの光景に出くわしカメラに納めた。

嘗てのゼンマイ干しが時代の変遷と共に消え去らんとする。

その貴重な場面の提供に図らずも与かった。

こんなにも長閑な平和そのものを象徴するような心穏やかな風景にお目に掛かれるのもわたしの老い先にはもう無かろう。

老婆には気付かれないように息を凝らして暫し茫然と佇む。

これぞ見納めと心して瞼の裏にも写し取った。

 

 

かたやウクライナの悲劇が重なる。

天地創造の神々よウクライナを安らかに解放したまえ。

 

其れを叶えられるは全知全能の神々たちだけだ。

もう神々に頼るしか道がない。