2022-05-12 老いのひとこと 額四峠で採取した四十万土は粒子が粗い所為か粘度に欠け成形時に手間取り実に厄介だ。 陶土には値しないと云ってしまえばそれまでだがわたしは此の土に拘り愛着心を燃やす。 此の土の短所を活かしつつ持ち味を最大限に引き立たせるには筒状の花器が好かろうと挑んでみた。 然すれば矢張り内周は兎も角外周には至る所に無数の亀裂が生じ修正の施しようがない。 幸いなことに完全にひび割れを来たすまでには至らず器の体裁を保っている。 問題は素焼きの段階で焼成温度に耐え得るや否やにありそうだ。 亀裂模様で彩られた奇抜な花器にでも変化して呉れれば勿怪の幸いなのだ。