老いのひとこと

 

予報通り寒気団が南下しいよいよ冬到来だ。

おまけに生憎の小雨模様だが風がないので外へ出る。

雲水気取りで永平寺草履を突っ掛けお出掛けだ。

車こそすれ違うがさすがに今日はゆく人来る人おらず独りゆく。

鳥居の前で祈願し裏道に入れば老婆なく藤袴も姿消していかにも寂しげなり。

三勇士に敬禮せし頃より横風交じりに雨足強まり足元を濡らす。

無人の公園にて足裏しごいて鍛錬しおのれに喝入れ、小用を済ませ家路を急ぐ。

ポチもお隠れ遊ばされるが此の辺りより雨足止み風も止んだようだ。

高橋川の河原に孤高なる白鷺が悠然と羽根を休める。

 

人生行路を歩めるが如き気象の浮き沈みに感ひとしおなり。