老いのひとこと

天下のソフトバンク社を地方の一ケーブル社が喰うた。

指定の期日に一台の大型電気工事車両がやって来た。

生憎の氷雨の中たったお一人の技師はボックスに入り操作盤を自由に操り上下左右に動き周りながら電柱の配線に手を施す。

吹き晒しの雨の中此れぞ天職なりと黙々と作業に就く。

アームは大屋根にまで上昇し身の危険も顧みず瓦の上に乗り移りアンテナを撤去する、滑りはしまいかと気が気ではない。

雨傘をさし其れを見上げる方も手足冷え込み気が気でない。

正確な数こそ聞かなかったが数え切れないライセンスを独学で取得したのだと云う。

大変な努力家でもある。

屋内では電話の配線、テレビ配線にインターネットの蛸足配線を盛んにいじくりながら新しい計器に取り換える。

手際よく、滞りなく家の中を駈けずり回り

お仕事に没頭する。

家内は昼飯にラーメンを整えれば合掌の仕草で手を合わせ有り難そうに呑み込みほどんど休む間もなく午後の仕事に取り掛かる。

パラボラアンテナ二基を取り外し配電盤に手を加えあれやこれやとよくぞ働く御仁であられた。

作業終了3時半、実働5時間に及ぶ難工事を見事に熟されたのです。

金沢ケーブルが我が家の電話とテレビとパソコンをアンテナなしで享受できるようになりました。

その間の費用や経費は要りませんと言う。

果たしてそれでも採算が合う絡繰りが何処に隠されているのでしょうか、知る由もがな。