老いぼれの独り言

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毎月最終水曜日はレクチャーの日です。
陶芸教室を主宰される大先生が講師を勤められる。
歯に衣着せない大胆な語り口で実に軽妙洒脱な語り部さまなのです。
途切れることなく次から次へと話題が展開し興味が尽きないのです。
だからこそ此の日も受講生で満席状態です。
われ等新入生のみならず二年生三年生さらにはベテランの域にあるOB連も多数参加されるのです。
それ故に高度な専門用語がかなりの頻度で飛び出しなかなか理解に苦しむのだが興味津々として話術の中に引き込まれてしまうのです。
窯から取り出されたばかりの作品を手に取り寸評を試みられた。
決して頭から貶すことはないが全面的に絶賛することもない。
心憎いばかりの講評が展開される中何時まで経ってもわたしの作品には見向きもしてくれないのです。
まあ取るに足らない駄作ゆえ仕様がないと諦めかけていたら突然此れは誰の作かと花瓶を振りかざされた。
新入生らしくわたしは「はい、僕のです」と元気よく立ち上がり手を挙げてしまった。
大先生は開口一番これは格別評価に値するような見栄えはしないとおっしゃる。
只、この作者の創作意欲がこの作品の中に乗り移り閉じ込められているという。
とにかく、あれやこれや思案投げ首楽しみながら制作に当たったようすが滲み出ていると絶賛の辞だ。
ただし、此の鉄赤釉による鉢巻状のアクセントは余りにも乱雑だ。
粗雑でぞんざい過ぎる、もう少し緻密な誠意を施すように励みなさいと諭された。
 
改まってしげしげと眺むるに、やはり余りにも造作ない。
不真面目だ。
もっと真面目にやれと一喝されても仕様がない。
 
陶芸を冒とくしてはいけないよと再度大先生に諭されたような気になった。