老いのひとこと

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月仕舞いの水曜日は大先生の講義の日です。


 とても造詣が深く含蓄に富む講話を時には噛み砕いてユーモラスな語り口で飽きることがない。


 ひとえに、われらに陶芸の醍醐味を説き伏せんと手を変え品を変えて熱弁を振るわれるのです。


 教室の中はいつも笑いが絶えないのです。


 ところが、此のわたくしは皆さんが大爆笑なさっているのだけど何がおかしくて笑われたのが一向に伝わらない時があるのです。


 つまり、此のわたくし人様の話を聞きとる理解力が最近頓に衰えを見せ掛けてきたのです。


 先日も、ドラマ「花燃ゆ」で寅次郎が口にする名セリフが皆目理解できない。


 言葉の中味が余りにも立派過ぎるのかも知れぬがある意味大きな悲哀を感じざるを得ないのです。


 人さまのお話しを理解するための練習場トレーニングの場と致すと申せば此の大先生に対し余りも非礼かも知れません。


 しかし、先生の高尚なる芸術談義を無と致さぬためにもガッパになって耳をそば立てることが大事なのです。


 吹きこぼれる笑いのもとを突き止めんと一生懸命に傾聴いたすことは此のわたしにはとても大切なことなのです。