老いのひとこと

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剣友と云ったら大変失礼に当たろう教士六段の腕前のたなべ氏から氏愛用の竹刀六本を譲り受けてしまった。


御身の剣の実力が最早六段の名に相応しくはないと御身自身が判断為さって潔く足を洗われてしまったのです。


段位返上の意味を込めて防具一式は全剣連へ既に寄贈済みなのだという。


ただ、此の竹刀をば焼却するのは忍び難く是非此のわたくしに譲り渡したいとわざわざ拙宅まで持参して下さった。


嘗ては、青梅錬心舘師範荻野弘先生をお招きし桜木道場や野々市道場にて共々指導を仰いだ仲でもあった。


ご本人の最終決断に至る過程に於いて其の意中を察すれば余りあるものがある。


何はともあれ、此のたなべ氏は揺るぎなき武人の魂の持ち主であった事を今更のように再認識致したしだいなのです。


三九竹刀はずっしりと重い。


氏からの善意に応えるためにも此の重い竹刀を有効に活用いたさねばなりません。


手打ちでは恥ずかしい、よろしくはない。


其処はやはり師の教え通り肩の力を抜いて全身全霊を傾け足と腰と腹で打つ剣道に専念致さねばなりません。