老いぼれの夕雲考《120》

イメージ 1
 
 
 
夕雲流剣術書        小出切一雲 誌(46)
 
殺戮行為が罷り通った往時においてすら、夕雲と一雲は人の道の何たるかを真摯に追い求めた。
剣の理法を修錬するのみならず人間形成の道を追い求めたことになる。
 
人の道の修行
 
【然らば一生の中を考ふるに、君に忠を盡し父に孝を盡し、兄弟に和順にして夫婦に別禮あり、朋友に信あり、臣僕に愛惠あるを本とし、いま時々事々物々應じて當然の理を行ひ、他岐にわたらざるを人の妙用とす、】
 
口語訳
 
それならば、人の一生の間を考えて見まするに、君に忠義を尽くし、親に孝行を尽くし、兄弟には和して逆らわず、夫婦には別格の作法があって、朋友には約束を守り欺かないこと、臣僕に対しては大切にして敬うことを旨として、毎日毎日の有りとあらゆる物事に対応して当り前の道理に従って、横道に反れることなく処して行く事が人としての巧妙なる生き方だと言えはしませんでしょうか。