#その他スポーツ

老いのひとこと

千葉在住の剣道に造詣深いとある先生の記述の中から光を放つ一つのフレーズを頂戴してしまった。 此の教士七段の先生はスポーツ剣道と武道としての剣道の違いを峻別なされた。 たったそれだけの事ではあるが此の先生はスポーツ剣道の背後に隠れるもう一つの…

剣道はすごいぞ≪22≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 又しても古臭いむかし話になる。 もう13年も経ったがあのWBCタイトルマッチは忘れがたい。 日本人が勝利しながら日本人の多くは納得しかねた。 亀田選手とは関係ない、とにかく…

老いぼれの夕雲考≪132≫

夕雲流剣術書 小出切一雲 誌(58) 小出切一雲は文武両道に長けたお方であられ、おのれの信念を貫き通す鉄の意志の持ち主でもあられのでありましょう。 また辛辣な眼で世相を切り捨てる毒舌家でもあられたのでありましょう。 【若し又學者に在ては眞實の學…

老いのひとこと

市連の稽古納めは大事を取って遠慮した。 翌イブの日には万難を排して参列する。 鶴来日曜会稽古に他ならない、わたしにはこよなく愛しつづけける唯一の道場に他ならない。 確かに体調万全ではない、左足首と右腰にはスパイラルテーピングで武装は致すものの…

剣道はすごいぞ≪17≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 全日本剣道選手権をみるまでもなく今日の日本剣道は完全に競技スポーツ化してしまった。 剣聖山田次郎吉の眼には如何様に映ろうかどんな言葉を吐き捨てようか。 勝ち負けを超越した本…

老いぼれの夕雲考≪131≫

夕雲流剣術書 小出切一雲 誌(57) 無住心剣を極めた当代きっての剣客小出切一雲は剣術はもとより医術をはじめ古今東西の幅広い学術にも長けた傑物である。 同時に人を洞察する鋭い鑑識眼の持ち主でもあった。 文盲は今日では差別用語に当たるらしいが一雲…

剣道はすごいぞ≪16≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 剣の理法を修練して人間形成を目指すことが剣道を行う所以でありましょう。 技を磨いて強くなって人間形成に近づこうと皆が厳しい稽古に励んでいる。 処が厳しい稽古に励む者が皆一人…

老いぼれの夕雲考≪130≫

夕雲流剣術書 小出切一雲 誌(56) 小出切一雲は幼くして半井驢庵 ( なからいろあん )より医術を学び古今東西の学術書を漁った。 仏典はもとより孔孟の教えから宋儒の何たるかも学んだ。 成人してからは針谷夕雲 ( はりがやせきうん )より夕雲流剣術を学び…

老いのひとこと

わたしの力では出来なかった。 孫からの手ほどきを得てようやく漕ぎ着けた。 無謀なる企てと云ってよい、蹲踞すらおぼつか無い老いぼれが高慢ちきにも形稽古を披露してしまった。 お相手は新進気鋭のY剣士。 *今一つぴたりと呼吸を合わせたい。 *打つ間合…

剣道はすごいぞ≪15≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 2007年に著わしたので文字通り10年一昔と相成る。 だから、随分と古臭い記述に今以って拘っていることになる。 でも、武道としての剣道の良さは質量ともに今も昔もなにら変わり…

法定の事≪12≫

法定の事=長短一味 その3 足切・足留から霞の構えに変化する。 それらの技は古流剣術の中にしか生き残ってはいない。 竹刀剣道はもとより剣道形にもその片鱗も面影すら何らとどめててはいない。 斯くなる古流の内実を極めることなく只々表面面 ( ひょうめ…

剣道はすごいぞ≪14≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 遠間に構え一歩攻めて入り大きく振り被り打突を試みる。 一歩入る時継ぎ足はダメですよ送り足ですよ、タカハシさん気を付けましょう。 何度こそ注意されましたことか。 ことろが今や…

剣道はすごいぞ≪13≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 昇段審査の在り方 剣の理法の修練の有無を体力と剣の技能のみで推し量ることにはいささか問題がありはしまいか。 況や人間形成の優劣まで査定するは越権行為に等しいと思う。 納得し…

老いぼれの夕雲考《127》

夕雲流剣術書 小出切一雲 誌(53) 一雲は傲慢なる思上がりの自惚れに対しては辛辣なる毒舌を吐いて皮肉り蔑むのです。 また、一雲は大した勉強家であったらしく積非なる中国の言葉を用いているのです。 【然らば耳だこのあたり目巧のつみたる意識の智解を…

法定の事≪10≫

法定の事=長短一味 その1 法定の形 四本目は冬の季節を表わす。 冬がやってくる、万物みな死せるがごとく静閑となすが春来たりなば一斉に生命芽吹きみな甦る。 一見眠るがごとく死せるがごとく見えるが内には生気の息づかいが静かに脈打つ。 四本目は生気…

剣道はすごいぞ≪12≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 『剣の五徳』は今いずこ 昔から『剣の五徳』という言葉がある。一つ正義 二つ廉恥 三つ勇武 四つ礼節 五つ謙譲。 剣道人のあるべき姿であり戒めでもあり日々の錬磨において此の徳目を…

法定の事≪12≫

法定の事=右轉左轉 その3 足早に秋の季節は移り行くように打太刀の変化の技に仕太刀は遅速なく応じ返さなければならない。 打太刀、仕太刀共に阿吽の呼吸で一糸乱れず演武しなければならない。 17-1 打太刀は切り結んだまま後ろに退いた左足を前に進め…

剣道はすごいぞ≪11≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 人間形成のために剣の理法を修練して強くならなけれならない つまり、剣の理法を修練した強き勝者こそが人間形成を為し得るという論理となる。 単純にとらえると人間形成を為し得るの…

老いぼれの夕雲考《125》

夕雲流剣術書 小出切一雲 誌(51) 今に生きる我等は真剣での相討ちの場面は知ろうにも知りようがない。 そりゃ怖いだろうに、恐さ紛らすために一町四方に轟きわたる金切り声を発したという。 余程の強者と云えども戦慄に耐え切れず奥歯かたかた噛み鳴らし…

法定の事≪11≫

法定の事=右轉左轉 その2 深まりゆく秋の情景に似て刻一刻と季節の移ろいが忙しなく右転し又左転する。 此の変化に遅滞なく身を処すことの大切さを諭しているのでしょう。 「~涙いで 光にうたれ 木の葉の散り敷くを見 けだものの嬉々として走るを見 飛ぶ…

剣道はすごいぞ≪10≫

『剣道はすごいぞ』 ―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー 勝つための競技剣道 とにかくスポーツである以上勝負を競い合う。 勝つための綿密な計画に基づく合理的な基礎体力作りと堅固な精神力作りに加えてハードなトレーニングスケジュールを…

老いぼれの夕雲考《124》

夕雲流剣術書 小出切一雲 誌(50) 武士の恥とは何ぞや、当流では相討ちで逝っても恥ではない 【併當の敵に討れて其敵を逃すが、自然流矢にあたって獨死をせば、主君へは武士一人の損を取らせ、自己は平常の嗜を空しくして、屍の上にも遺恨は残すべき事な…

敗者の条件

「敗者の条件」=其の11 野々市中学校の剣道場に掲げられる道場訓『敗者の条件』をわたくしなりに独断と偏見に基づき分析してきた。 余りにも意味深長で含蓄深い字句が並び随分戸惑いも致したのだが、その意味することは結局のところ剣道人個々人が夫々お…

老いのひとこと

金曜日は居合のお稽古日もっぱら制定居合のお浚(さら)いに精を出す。 いつも独習を旨とするので独り善がりな事も多々あろう。 と云うよりその辺りが気掛かりだったし最も懸念致す処でありました。 何分此処には姿見の鏡すらない。 今日は偶々板宮さんより貴…

老いのひとこと

おお孫よ 孫たちよ よくぞ闘ったものだ 並み居る 伝統校実力校あまた ひしめく中で 我が母校の名のもとに 堂々と道場の床を踏んだ 偉いものだ立派なものだ 畏縮しちぢみ上がり 帰りたくなるような恐怖心に よくぞ立ち向かい雄々しく闘ったものだ きっと揺れ…

老いのひとこと

無断掲載 先日、第16回剣道世界選手権をテレビで見た。 終始固唾を呑む思いで観戦した訳ではない。 男子団体戦のほんの一部分だけ見させてもらった。 確かに此のわたくしも竹刀を握る端くれ者ではあるが短い間に随分と剣道も異質なものに早変わりしたもの…

老いのひとこと

おお孫よ、いよいよ決戦の時来たれり。 戸惑うことなく雄々しく立ち向かって来たまえ。 四戒や四病なんのその恐れるに足りず。 頼れるは御身のみですよ。 二本の足を大地に据え 爪先正しく相手に正対し 気構え心構え確と執り 先ずは有らん限りの掛け声振り絞…

老いのひとこと

もはや此のわたしには面を着装し竹刀を握る機会は日曜会稽古以外なくなった。 六水会からは長らく遠ざかり破門されても止む無しだ。 日曜日の鶴来での夕方5時過ぎからの小一時間はわたしにとっては実に貴重なる修錬の場なのである。 七段を筆頭に高段者が目…

老いのひとこと

愛用の39極太「筑紫」の柄革の革紐が無慚にも切れている。 未だ嘗て此の柄革の革紐が破損を来たした経験はない。 この革紐は切れそうでなかなか切れないものだ。 とにかく切れた例がないし此処が切断した竹刀をだいいち見たことがなかった。 確かに弦をし…

老いのひとこと

生身の人間だから怪我もしよう、失敗も仕出かしましょう。 予期しない失策に泣かされたり地団駄を踏まされたりしたものです。 地稽古の最中、巻き技を喰らい我が竹刀が天井へ舞い上がってしまった苦い経験がある。 手の内の甘さを見透かされて強烈に叩き落さ…