『剣道はすごいぞ』
―伝統と文化を大切にしてよりよい日本国をめざそうー
遠間に構え一歩攻めて入り大きく振り被り打突を試みる。
一歩入る時継ぎ足はダメですよ送り足ですよ、タカハシさん気を付けましょう。
何度こそ注意されましたことか。
ことろが今や此の歳に至ればタカハシさん、古流に準拠して歩み足で継いでも宜しいではないですかと優しく諭してくださる優しい先生が居られるのです。
よりよい剣道をめざして
竹刀をば 真剣なりと 思うべし
山田次郎吉先生や小川忠太郎先生やその他の多くの先生方たちが指摘なされる。
竹刀を日本刀だと思って真剣に稽古すれば立派な人間になり立派な日本人になれると説明されるのです。
そうすれば稽古のときといえども立会いで最初から交刃の間合いだとおっかなくて入りっこないのに結構平気でやってはいやしませんか。
絶対におかしいことを見過ごしている。
遠間から間合いをつめて行くことが攻めの基本だと思います。
従って初心者の段階からも
遠間➡一歩攻め入る➡大きく振りかぶって打突するを基本とすべきと思う。
ところが道場により指導者により見解がまちまちなのです。
竹刀を真剣に見立てる以上いきなり一足一刀の間合いからの打突は納得しがたいと思うのです。
竹刀を日本刀という真剣になぞらえることはとても難しいことに違いがない。
でも、お互いに命のやり取りをしながら生きるか死ぬるかの真剣勝負だと気持ちを高揚させながら稽古することはもっともっと難しいことだろう。
基本打突でも打たせてもらってありがとう。
あなたの命と引き換えに面打ちの稽古をさせていただいて本当にありがとうの感謝の気持ちを素直に表わせるような稽古であってほしい。
そうでなくては剣道をいくら激しく行っても意味がないではないか。
相手の立場をおもんぱかる優しさが育たなければ剣道をいくらやっても意味がない。更には、試合で勝利を収めたときには、相手の命を犠牲に手に入れた勝利であることに深い感慨を抱けるような剣道っ子でなくてはならない。
大げさに言えば相手に素直に哀憫の情と感謝の気持ちを表わすことのできる剣道っ子でなくてはならないと思うのです。
このことが、図らずも人間形成につながって行くのではないでしょうか。
こんなことからも「美しい国、日本」へのアプローチが可能ではなかろうか。