法定の事≪11≫

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法定の事=右左轉 その2


 


深まりゆく秋の情景に似て刻一刻と季節の移ろいが忙しなく右転し又左転する。


此の変化に遅滞なく身を処すことの大切さを諭しているのでしょう。


 


「~涙いで 光にうたれ


 木の葉の散り敷くを見


 けだものの嬉々として走るを見


 飛ぶ雲と風に吹かれる庭先の草とを見


 かくのごとき因果歴々の律を見て~」


 


ふと、高村光太郎の詩の断片を思い出してしまった。


 


12-1(打太刀)は左上段より左足を大きく後ろへ退きながら「ヤエー」の発声で正面を打つ。


12-2(仕太刀)はこれに応じて左上段より右足を大きく出して「ヤエー」の発声にて正面を打つ。


13-1は左足を斜め前へ踏み出し腰を据え木剣を水平に掲げる。


その折には両脇締め右掌上に右肘は体側に引き付け左手甲を上に確と柄頭を握る。


13-2も左足を斜め前に踏み出し充分に腰を据えて正上段より打太刀木剣の物打ちの部分を「ヤエー」と打ち砕く。


14-1は左の手の内を緩め右の親指人差し指の間で衝撃を緩和致せば剣尖は垂直に打ち落とされる。


此の時仕太刀の掛声に合わせて打太刀も「ヤエー」の発声で応ずる。


14-2は真向真下に打ち下すやその反動で右の膝を大きく真上へ跳ね上げる。


15-1は垂直に打ち落とされた剣尖を仕太刀の右目に付けて同時に右足を左足の前まで送って左霞となるや次いで左拳を頭上高くに掲げて剣尖を右の方へ大きく回転させてそのまま右足を後ろへ大きく退いて正面裏打ちに行く。


此の時「トー」の発声が伴う。


15-2は跳ね上げた右足を左足の前まで踏み出しながら剣尖を打太刀の右目に付けて左霞となるや次いで左の拳を頭上高くに掲げながら剣尖を右より大きく回転させ逆八相より右足を軸に左足を大きく攻め込み正面裏打ちに入る。


打太刀同様「トー」の発声を入れる。


16-1は裏打ちに切り結んだ木剣を静かに上段にかぶり機を見て左足を大きく後ろに退きながら「ヤエー」と共に正面を打つ。


16-2も打太刀同様におもむろに木剣を上段に移して打太刀の動きに応じて遅速なく右足を大きく攻め込み「ヤエー」で正面で切り結ぶ。