「敗者の条件」=其の11
野々市中学校の剣道場に掲げられる道場訓『敗者の条件』をわたくしなりに独断と偏見に基づき分析してきた。
余りにも意味深長で含蓄深い字句が並び随分戸惑いも致したのだが、その意味することは結局のところ剣道人個々人が夫々おのれの想いを盡して解読に相努めねばならぬことを知ったのです。
打った、中った、勝った、負けただけの剣道でない真の剣道の何たるか追い求めねばならぬことを知り得たのです。
十個目の戒文は
【敗者は真の敵は自分の心にあることを知らない】
剣道で対峙する真実の敵はおのれ自身であることになる。
九番目の項目を受けての十番目となる。
本当の敵は自分の心の中に潜む非ざる心・弱き心・邪な心・驕り高ぶる慢心・弱者敗者を見縊り見下げる傲慢なこころを真剣で斬り裂くことにある。
剣の技で勝者になったにしても所詮小者に過ぎない。
真の勝者は『非心を斬る』ことを知っている。
『非切』のこころ知れば敗者は敗者に非ず。
敗者が勝者になり、勝者の中にも敗者が沢山居ることを知ろう。
さあ、真の剣道に励もう。
≪終≫