老いのひとこと

1982年に建てたので築40年を超えた。

当然、荒ら家に等しく廊下の床がぐらぐら揺れて踏み外しそうだ。

道理で家の周りには貧乏カズラや屁糞カズラが繁茂し手の施しようがない。

先日のこと陶芸用の練り板の代わりに使う板切れを引っぱり出せば何んと居たではないか。

余は思わず「ヘイ糞タレー」と声に出した。

とうとう我が家には「屁糞」君が出没したではないか。

さすが此れには閉口する身を捩けて飛び退いた。

手で触らぬ限り安全なるは知りながらも本能的に身を守る。

屁糞君とて護身用に屁を放つのだがあれは気体ではなく分泌された液体なんだという。

そんなものを見届ける余裕も興味も勇気も在りやしない。

紙切れに乗り移った機を見て窓の外へ放り出した。

押し潰すなんてもっての外、無罪放免だが、待てよ彼にも家族が居よう。

まさか一族郎党引き連れてお礼参りに参られたらスワ一大事だ。