老いのひとこと

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後ろ宙返りの妙技を見せて頂いた砂場の横で今日は此れ又格別な珍技の持ち主に偶然にも出逢ったのです。


此の公園の桜並木の下を自転車にて通り抜ける数年来の慣習の中此のお方に遭遇したのは始めてあります。


箱型自動車のハッチバックを開けて一人の青年が何かお仕事に精を出される。


一たびは通り過ぎたのだがとても気になるので引き返して良く見てびっくり仰天してしまった。


其処には、アウトドア用の椅子が一脚あって目下制作中にも窺がえるのです。


一見すれば四十前後の年恰好でぶっきらぼーで取っ付き難い人物に映ったが話している内に此れ又実に特異な才覚を宿す稀有なる好青年であることが解かったのです。


大自然の中を駆けずり回ることが大好きで偶々L字形に歪曲した流木に異常な愛着心と興味が湧き或る種の閃きでこれを素材に椅子作りへの挑戦を思い立ったのだと滔々と話されるのです。


精鋭なる芸術家魂を内に秘めた若きアーチストに映った。


アート展への出品を目論んでいるのかと質してみればトンデモナイと云う。


微塵たりともそのような野心は持ち合わせませんときっぱり言い切る。


お職業との関わりについても尋ねたが全く関係ないとおっしゃる。


単なる、暇潰しであり趣味の一環ですと柔和な笑みを湛えられたのです。


打算的な功名心とは縁遠い只おのれの内面を潤し充実させる事のみに執着する実にピュア―な若者に出逢え本当に良かった。


此の生き様を大いに参考に致さねばなりません。


 


此処ではトランペットが鳴り響いたり百八の音が漏れたりして恰好の自己研鑽の場にもなっている。