老いのひとこと

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無断掲載



然程の技量も馬力もないのにお面お小手が大好きでここ三十年ほどのお付き合いになる。


試合で勝負に挑み、また段位を上乗せしたい大それた野心はもはや何処にもない。


ところが、此れが大好きでたまらない週にたったの一度きりではあるがお面を被り道場に立つ。


 


・大きく


・強く


・正しく


・速く


をモットーに切り返しに勤しむ。


わたしには「速く」より「正しく」の方が重要課題だ。


でも、大声で根を詰めて一息で頑張ってみる。


塾頭の「やめ」の合図がない、めっぽう時計の針の遅い日も多々あったりもする。


 


元立ちで受けるときは長年のわたしの流儀では面金に近い箇所で受ける。


打ち落とし気味に受けるが下手をすれば掛り手の竹刀が面布団に入る。


その方が掛り手が左右面の打突部位を的確に打ち易かろう。


得てして面に届かぬ空間打突や面々と発しながら竹刀を打つ弊害からも回避されはしまいか。


中には殊更面から遠く離れた箇所で受ける剣士の方もいられるが其処は切り返しにも色んな流儀があってこれまた然りでありましょう。


少なくともわたしはそのような意地悪な受け方はわたし流の剣の理合いに存在しないのです。


むかしの師匠から元立ちは正中線上に竹刀を立てて少し体を捌きながら打ち落とし気味に受けるのが正しい受け方であると聞いた。


もっぱらこの流儀がわたしの身に付いてしまったようだ。