老いのひとこと



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何ゆえこんなにも下らぬことに拘るのか自分自身能く判りません。


野田山の一角に前田利家の長女、まつが生み育てた幸姫のお墓がある。


小高く盛った墳墓の前に石廟が安置されその石廟のすぐ右手に枯死した大樹の根株が


横たわる。


根っこが剝き出しのまま放置されるのは管理が行き届かないせいなのか其れともその樹木に何かしら曰く因縁が秘められているからなのだろうか。


そんな下らぬことに拘泥してしまった。


幼子と一緒なぜなぜどうしてなのと駄々をこねるのと変わりはない。


野田山墓地管理事務所を手始めに成巽閣や市の文化財保護課へ連絡するが要領を得ない、直接埋蔵文化財保護センターまで出向いて尋ねてみるが判明したのはお幸さんのお墓を墓守りするのは幸姫が嫁いだ前田対馬守長種家そのものであることが判った。


それだけでも大収穫なのだが何分お役所仕事ゆえお役人の守秘義務の制約で前田長種の血をひくご子孫の情報は一切合切他言なされることはありませんでした。


何としても執念で長種末裔の方を見出し古いアルバム帳より生い茂る石廟横の大樹の様子や樹齢、手植えし人物名等々を暴き出さねばなりません。


 


些かどころか極めて妄想めいた言い種であるが幸は幸であっても此のわたくしにとっては只の幸ではありません。


大変意義深き幸であるはずなのだと妄信いたすわたしなのです。


さあ忙しくなるぞ━━。