老いのひとこと

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地域の長寿の集いに参加した。


真昼間から一杯頂ける誘い水にくらまされたと云ってもいい。


生来、大勢の中に顔を突っ込むことを得手とはしないのだが一杯の魅力には敵わなかった。


そもそも魂胆がさもしかった。


なんと該当者1054人中参加者109人は頷ける、呑ん兵衞は一割と云うことか。


お役人御挨拶の中に珍しく面白い文言があった。


或るご老人が口にしたという、目下のところ私は鋭意教育と教養に心血を注いでいるとおっしゃるのでその真意を伺えば「今日行く所」と「今日の用事」を血眼で捜すのだと駄洒落れをいう。


まさに「一夜賢者の偈」の教えの通りではありませんか、とても感心致しました。


 


一杯酌み交わしながらの余興は「ささぐり演芸」でした。


ささぐりは福岡県の篠栗の地名であり「篠栗九大の森」で知られる所らしいがわたしは知りませんでした。


御多聞に漏れず田舎芝居のドサクサ喜劇に違いはなかったがよくよく見る内に身命を捧げる役者魂が躍動する姿にみごと変容していったではないか。


座長が母親でその脇役が我が子息、劇団員はこのお二人きりで親子相助けながらの息の合ったコンビネーション振りを発揮され、確かに胸を打たれた。


芸のためとはいえ必死に生きる生々しい肉親の情愛がひしひしと伝わってきた。


盛大な拍手と共に美酒の宴の御開きを迎えました。