むかし痩身の頃は懸垂や逆上がりはもとより蹴上がりも何とかこなせた。
以来半世紀間は鉄棒とは無縁であった。
ところが初孫のお相手に逆上がり特訓にやきもきする時代がやってくる。
お手本にそれらしき真似事は此れまた何とか出来た筈でした。
そしてまた十数年のブランクを経て今を迎える。
ラジオ体操の公園に藤棚が在って其の藤棚が恰好の鉄棒に早変わりすることにはつい最近まで気付かなかった。
何んと懸垂はおろかぶら下がるだけに精一杯、当初は十秒間も持たなかった。
体力の激減に驚き物凄く幻滅した。
でも不思議なものです回を重ねるにつれ少しづつ長持ちできるようになったではないか。
せめて三十秒はぶら下がりたい。
其の内地獄とやらに参らば蜘蛛の糸にぶら下がらねばなりますまい。
カンダタに成り切り毎朝ぶら下がりの猛特訓中なのです。