老いのひとこと

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弟夫婦らみんなで山代温泉山下屋に一泊し1年振りの親交を温めた。


加賀藩の本陣」の異名ある由緒深いお宿です。


嘗ては藩主たちが此のお湯に浸かったでしょうしお庭には利常持参の手水鉢や秀吉から利家へ寄贈された灯籠が苔生す。


また魯山人が此のお宿に投宿した証に一枚の木彫りの看板を遺して行ったという。


年輪刻まれた風格あるお宿でした。


バイキング料理の品揃えの豊かさに今宵はカロリー云々抜きにして無礼講で参ろう。


朝風呂の一番乗りは藩主気取りで気分上々実にご満悦でした。


ただ一つ合点行きかねる些細な引っ掛かりが在りました。


旅館のサービスで落語寄席が設定され我らは笑いの渦に自ずと吸い込まれる仕組みになっている。


確かにクスッと致す機知とウットに富んだ場面もあるには在ったのだがどうした事かわたしらの近くに陣取る数人の奥方たちが異様に仰々しく笑いこけるのです。


弁士を称賛致そうとの意図が何かしらありありと見えてくる。


斯くなる盛り立て役同然の振舞いに圧倒されこちらは些か不可解な気持ちに誘われてしまったのです。


これが田舎の寄席の常態なのか大都会の寄席では当たり前なのかそんなことはわたしは知らない。


ウイクデーなので格安料金にて泊めて戴き有り難いことでした。


淡々とした歓送迎陣の在り様がとても現代風でよかった。


 


帰りには人口30人の限界集落が何のその実に矍鑠と活路を見い出し素晴らしい杉苔庭園を披露する山里の一角「苔の里」をゆっくりと堪能してきた。