無断掲載
国政を司る最高責任者よりもそれ以上に此の天皇は此の国の真の平和を希求なされていられる。
あの天皇の平和を語る時の眼差しを見れば誰の目にも明らかである。
嘘偽りのない曇りなき真意が自ずと胸に伝わる。
平和を語る時の其の人の眼球を見れば真偽の程が一目瞭然でありましょう。
天皇はお言葉の冒頭に此の平和のことを感慨こめて語られた。
幾度となく此の平和の二文字を噛み締められた。
閉会に際し万歳三唱を唱和した時には此の陛下の平和の二文字とはしっくり調和することがどうしても出来なかった。
その瞬間をレンズは的確に両陛下を捉えていた。
皇后は凛とした鋭い眼で宙を睨む、片や天皇は物憂げな空ろとも取れる焦点の定まらぬ目でむしろ此のわたしには悲しげにさえ映ってしまった。
少なくとも共鳴し意気投合する気風はわたしには見受けられなかった
遠きむかしに想いを馳せていられるようにわたしには窺えた。
国民に取り分け被災された方々への並々ならぬ思い入れは国民に寄り添う象徴天皇のお姿でもあった。
象徴像を模索し象徴道を追求なされた30年で在られた。
しかし未だ道半ば子や孫に象徴道の理念確立を託されたのでした。
両陛下共々お互いに寄り添う愛睦まじきお姿は八分余りのスピーチの最中にふと垣間見ることが叶った。
陛下のお言葉に「政府」のセリフを二度耳にしたその刹那間髪入れずに皇后は異変に気付き天皇に寄り添い注意を促し事無きを得たのです。
さり気なく何事もなかったように式典は動き始めました。
「天皇の国事行為は内閣の助言と承認のもとにある」
此れ憲法の定めらしい。
象徴行為、公的行為、私的行為等を通して平和の二文字が散りばめられた象徴道が見事大成なさられんことを切にお願い申し上げねばならない。