老いのひとこと

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加賀百万石の城下町だけあって色とりどりの伝統芸能の数々が今もって健在なのです。

とりわけ新幹線効果が手伝い「ひがしの茶屋街」一帯は国内外の観光客で連日連夜埋め尽くされる。

 

最寄りの公民館で粋な催し物が披露された。

「金沢素囃子」の国家的重鎮から直々にお話が聞けるとあって馳せ参じた。

しけた分際には縁遠いが瀟洒な旦那衆には「長唄」を愛で「素囃子」に打ち興ずるみやびの心を昔ながらに宿すのです。

金沢の伝統芸能                                                                              に理解を示す御仁が大勢いらっしゃるのです。

体験学習の場が設けられ、長唄「ことぶき」を三味線と小堤の囃子に合わせ口ずさんだ。

抑揚を上げたり下げたり伸ばした縮めたりして、これぞ最初にして最後の長唄を唄う。

黒船来航の前年嘉永6年に初代杵屋六翁が作曲したという「ことぶき」を心行くまで唸った。

「~契りも深き相生の栄え久しき友白髪」と文句がこれまた絶品、これぞまさしく冥途の土産にふさわしい。

つくづく此の地に生まれてよかったと思う。