老いのひとこと

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泉野にお住いのお友達のもとへ届け物をいたそうと伺うが中々見付からない。

城下町特有の入り組んだ迷路のような袋小路のなか行きつ戻りつ探すは至難の業だ。

路肩なくしかも一方通行で車を停めれない。

漸く見付けた小公園のわきに車を置き探すが地番が不規則に配置するので皆目ダメだ。

仕方なく工事中のお方に尋ねて何んとか辿り着けた。

用件を済ませ車まで戻ろうと試みるが又々道に迷い堂々巡り、泉野地内はこんなにも広かったと感心するばかり。

止む無く、道行く人に尋ぬれど一向に要領を得ぬ。

10月なれど風なく日差しも強い。

すると後方より人の声、振り向けば先ほどの中年の奥方が息せき切って駆け寄り公園の在り処を思い付いたので案内しますと先導なされる。

処が雑草生い茂る違う公園ではないか。

もっと小綺麗で木柱が立ち周りには杭が打ち込んであったと申せば失礼しました間違いましたと小走りに先へ先へと案内してくださる。

わたしは歳を取りました余りの速さについては行けない。

へとへとになり汗びっしょりでようやくわたしの車のもとに着けたのです。

忝い感謝申します、本当に助かりました、お名前を窺うわけにもゆかず返す返す有難う御座いましたと精一杯の礼を述べる。

此の世は捨てたものではない。

善意で満ち溢れた何んとご立派な方なんだろう。

しんどい思いもしたが何んと微笑ましい出来事だろうか。

とても気持ちがよかった。