無断掲載
「エデンの東」を観た。
不朽の名作は何時観ても新鮮だ。
愛と憎しみが織りなす人間模様を観た。
すれ違い行き違う親と子の、兄と弟の愛憎劇の展開を見せ付けられた。
清廉潔白にして品行方正な善人と心が捻じれてひん曲がった醜く汚らわしい悪人を対比し其処には因果応報とは相容れない聖書の世界が在ることを知らされた。
必ずや憎悪の世界の裏面に潜む人間愛の尊さを教えて貰えた。
父親からの愛情に飢えるジミーが金銭で愛情を買い求めようと一途に振る舞ういじらしい場面がなんと云っても圧巻だった。
ジミーの憎悪と化した嫉みの邪心が兄を狂乱させ父を死の淵に立たせてしまう。
ところがこころない家政婦を一喝するジミーの大声が奇しくも父子の情意が遂に通じ合うことになる。
失意の兄の事を思えばハピーエンドではない。
願わくば母親の事業を兄が引き継ぐことを勝手に想定するしかない。
想像の世界が余韻として尾を引く名画でした。