老いのひとこと

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前田家墓所クリーン大作戦に参加してきた。

例年は春の行事だが今年に限って秋10月に執り行われた。

恐らくご奉仕できるのも今回が最後と心むなしゅうして臨んだ。

例年のことながら延々と続く急峻なる階段の行き来はさすがに身に堪えるのです。

他人を意識しても詮無いことと知りながらどうしても競合している。

脚力がままならず悉く追い越される、おのれの限界をまざまざと知らされるのです。

途中随所で学芸員の解説が入るが甲高い女性の声は遺憾ながら騒々しい雑音に過ぎない。

わたしの耳には全く届くことはなかった。

担当箇所は名君五代目綱紀公の敷地です。

枯れ葉こそ積もれども高い樹木の木陰の所為か草々の繁茂はない。

途中で目にした豪姫の墓所はさえぎる樹木なく辺り一面茫々とした夏草で覆い尽くされていた。

きっと豪姫は実母マツ殿と義父秀吉に恨み節をそっと吐いてはいまいか。

「内のところだけ見捨てられて堪らへんわ・・・」と愚痴ってはいまいか。