老いのひとこと

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今朝の新聞のコラム記事には丑年に因んで光太郎の「牛」が引例された。

さっそくページを開いて読んでみる。

どうしたことか所々に思い当たる節がある。

ちゃっかり肖ってみる気になってしまった。

 

“牛ハノロノロト歩ク”

 

此のわたしものろのろと歩く

どこへでも自分の行きたいところへ真っすぐに歩く。

一足一足自分の道を満足気に一味味わいながら歩く。

上の空では歩けません。

どうしても足を一歩踏み出さなければ前へ進まないので自ずと歩むのです。

不器用なわたしは編み上げ靴を履くにも梃子摺りてきぱきと捗らない。

じれったいほど鈍間で何度も繰り返す。

その内神経は敏感に反応し直ぐにイリイリする。

今日は鈍重にも雪に足を取られてふらふらとよろけてしまう。

踏み出す足取りは悲壮感が漂うと云うよりむしろ滑稽な様だ。

今日は井山伍長の墓前には花が手向けてありました。

 

飽くまでものろのろと粘り強く牛のように歩く。

雪を踏みしめながら牛のように歩く。

平凡ないつもの道をのろのろと牛のように歩きました。

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