引退してから3年目になるか5年目になるか最早どうでも良い、わたしは再び粘土遊びを思い出してしまった。
作陶術に見切りを付けて陶芸を断念したはずにも拘らずどうしたことか脳裏から消え去ることを躊躇い七つ道具の数々や粘土そのものまで物置の隅っこに隠し置いたのです。
干乾びてはいるが未だ微かに土の弾力を止め生きている。
上手に処理すれば十分に生き返らせそうだ。
思い立ったが吉日の故事に従いむかし用いた諸道具を一つ一つ点検した。
どうしたことかステンレス製の切り糸が見付からない。
ホームセンターで材料を仕入れ自分で作ることにしよう。
何かしら不可思議なるヤル気が沸々と涌き出てくる。
確かに生きている証だろう。