老いぼれの独り言

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無人の体育館をひた走る。
走るというより軽いジョギングに過ぎない。
終始マイペースで小半時の行である。
ここのところ週に二日間と回数は減ったものの意地糞を張るわが身の姿が醜い。
貪欲に我執を貫き立てる姿は可愛げがない。
こんな事でも仕出かさないと毎日が生きているのか死んでいるのかもわからない。
生きている証しを実感せむが為のもがきに近い。
只唯一の効能らしきものをつい最近になって見出した。
走るさ中いろんな雑念が去来する。
つまらぬおのれをあざ笑ったり、叱咤激励したり、メジャーに見る減量の針を気にしたりとにかく下らん妄念が沸々と湧き出る。
ところがどうしたことか、突如として我が消え失せ、走っている実態が脳裏から消去されてしまう不思議な時間的空間を意識する時があるのである。
再び元のわれに返り、外界のようすが五感に入ってくるのである。
この一瞬に過ぎぬにしても、没我の境地無我の心境を享受し得た収穫は大きい。
意識してこの無の世界を呼び込もうとしても無駄だし、絶対無理だ。
でもこの瞬時の悦びを求めて、これからもふれあい体育館を愛で続けたい。