2022-04-02 老いのひとこと 白梅の散り染めし白き地面に足の置き場にこそ戸惑う。 梅下にて仰ぎて匂いしその香も日ごと萎えゆく虚しさがいや増し季節の移ろいを知る。 今や百花繚乱の機を迎えた感あり。 惜し気もなく豪快に白蓮が咲き乱れ、菜の花は素朴な黄花を春風に靡く。 ボケの花はしおらしくもやや俯き加減に美しさを競う。 また、ほころび始めたスモモの花の下で頭に被った手拭いを結わえ直して見せる剽軽者が此処に居たり。 あすなろ公園の桜並木はもうすっかり薄紅色に頬染めて春の宴の出番を今か今かと待つ。 長閑なる春がやって来る。 花から花へと移り気の蝶が一羽舞う。