老いのひとこと

大老舗のお多福さんの大女将は気さくなお方でその都度挨拶を交したりする。

今日も玄関先で花壇に水遣りをなされる。

見れば足首が包帯で膨れ上がる、引き摺るように歩く。

「部屋の段差で転び骨を折りましたわ」と何の屈託もなく大笑いなされる。

「旦那さんも気付けまっし」と心遣いを戴いた。

そう云えば何時ものコースでバーバー´Sショップ84さんの先代マスターからちょくちょくお褒めのお声が届く。

「わっしゃ17年がやちゃ」

「・・・元気やねえ」

「転ばんように気付けまっし」と本物の金沢弁が返って来る。

 

確かに他人事ではありません。

笑い事でもありません。

いつ何時我が身に降り掛からないとも限らないアクシデントは決して他人事ではない。

毎日は歩く練習と云うより転ばない為の足運びとバランス取りのトレーニングだと明確に心するようになってしまった。

弱ったものだ、実に困ったものだ。