老いのひとこと

何も知らぬものが物申すは甚だ烏滸がましい限りだが処理水がとうとう海洋に放出されてしまった。

政府の方針に従い東電が決行するに及んだ、放出止む無しの世論の後ろ押しも在ったのであろう。

汚染水の処理問題は喫緊の課題には違いない、何れにしても解決の糸口を見い出さねばならない課題に違いはない。

処理水を更に海水で薄め科学的安全性が担保されたとは言え現下の岸田政権が「安全性」を声高に口に致す資格が果たして本当にあるのだろうか。

 

少なくとも既存の推進路線をひた走るなか、原発再稼働の凍結宣言、目下建設中の三基の原発工事への中断宣言、更には計画中の八基に及ぶ建設プランの再検討宣言の三つが同時並行的に発令されなくても少なからず何らかの形で見直し再考の誠意の片鱗でも垣間見ることが適うならば国際的非難取り分け中国政府の態度も軟化しただろうし況してや風評被害も軽微なまま消え失せはしまいか。

 

にも拘らず今日の海洋放出はまさに盗っ人猛々しさを強くした。

長期にわたるであろう風評被害は漁業従事者に限らず多方面に波及いたすだろう。

何よりも今以って避難生活を強いられる方々の胸中を逆撫でする暴挙以外の何物でもない。

 

取り交わされた大きな約束事を反故にした説明責任を如何様に執ろうとすのか目を皿にして監視いたさねばならない。