2024-09-04 老いのひとこと 晩夏の二題 其の一 翌日にはコンクリートの窪地にて数匹が瀕死の状態でたむろする。 無害と知って指に摘まんで採取したのだが到底口にする気にはなれず標本として暫し御許にて安置し成仏あらんと手を合わす。 昨日の非業を恥じ入り悔い改めんと遅れ馳せ乍らも開眼し「山川草木悉皆成仏」の教義に基づき心中喪に伏した心算だ。 其の二 唯一の秀作と言えども此の程度の作品に自画自賛いたすド素人の自称陶芸家が此処にござんす。 銘を打ったまでは好かったが2014年と時代錯誤も甚だしい。 おまけに童仙坊が付着したまま取れない、バランスよく二段構えで体裁を為すので高台代わりに活用することにした。 暇を見て弁柄を筆で塗って誤魔化すことにしよう。 口縁には丁度コブシが入る広さがある、秋も深まれば畑の野生化した紺菊を無造作に束ねて生けてみることにしよう。